秋田駒ヶ岳のすぐ北にある乳頭山麓に情緒あふれる7軒の秘湯が点在する乳頭温泉郷がある。大小様々な風呂を持つ最古の鶴の湯をはじめ、ほとんどの湯宿が乳白色の混浴露天風呂を設けている。
その中で最も東の奥にある、秘湯の風情たっぷりの黒湯を選んだ。
茅葺、杉皮葺きの旅館棟、湯治棟などの宿舎や湯小屋が、ブナの林に囲まれていくつも寄り添うように軒を連ねている。台風11号が北陸地方を北上しているので、雨脚が強くなってきた。明日は秋田駒ヶ岳登山の予備日としているので、朝までに雨がやんでしまうと助かるがどうなることやら分からない。
部屋から先達川上流の荒涼とした源泉地帯を眺めると、涌き出した源泉が白濁した池となっていて、上の高台には茅葺屋根の離れ(別荘)が建っている。
黒湯温泉の発見は、延宝2年(1674)頃とされている。河原近くまで下りていくと、右手に下の湯の男女別の内湯と露天風呂の棟が建ち、その左手に小さな男女共用の打たせ湯がある。
風呂の脇を流れる先達川が改修工事中で、川沿いにフェンスが張られて川の様子を眺められないのが残念である。
混浴もあり風呂はどこも撮影禁止となっているので、風呂の写真2枚はパンフの切り抜きを載せる。これが打たせ湯である。
こちらは、上の湯にある混浴の露天風呂である。意外に小さかったけれども、山奥の風情に囲まれて野趣に富んでいた。
夕食は、山の幸が中心で質素なものだった。