半坪ビオトープの日記

建長寺、方丈


国重文に指定されている唐門は、勅使門とも呼ばれる。仏殿と同じく東京芝増上寺にあった徳川秀忠の霊屋の廟門を移したものである。

漆塗りの四脚門で、牡丹唐草文などの彫刻や透し彫り金具などの装飾技法は、仏殿と同じように桃山風の作風を伝えている。

唐門の奥に方丈がある。現在の建物は、総門と同じく昭和15年に京都の般舟三昧院から移築されたものである。

建立は享保17年(1732)であり、龍王殿と呼ばれ、国の重文に指定されている。

方丈は従来住職の生活の場だったが、檀信徒の法要・儀式等を行う堂となった。本尊として、宝冠釈迦如来座像が安置されている。

方丈の背後には禅寺を象徴する庭園(国名勝)がある。心字池を中心とした池泉庭園で、蘭渓道隆の作庭とされているが、江戸時代に著しく改築されている。
野菜のたくさん入った「けんちん汁」は、建長寺の修行僧が作っていたため、「建長汁」がなまって「けんちん汁」となったという説がある。しかし、有力説は、中国の普茶料理が日本化したもので、「巻繊汁」と書き、「繊」は唐音で「ちん」と読むという。どちらにしても、元来は精進料理なので肉は使わず、出汁も鰹節や煮干しではなく昆布や椎茸を使うのが望ましいとされる。