半坪ビオトープの日記

去年に引き続き夏の合宿は内房岩井海岸の民宿にしたので、舟盛りの地魚をたらふく食べることができ皆満足した。
9月になったため海の家が解体されつつあるが、水温はまだ高くて波も静かだからのんびり泳ぐことができる。

初日は久しぶりの海水浴を楽しみ、二日目は隣の鋸南町安房勝山へ散歩に出かけた。
海岸にはヒガンバナ科のハマオモト(Crinum asiaticum var. japonicum)が咲いていた。別名のハマユウ(浜木綿)の方がよく知られている。常緑の多年草で、葉の間から50〜80cmの太い花茎を出し、芳香のある白い花を10数個開く。太平洋岸では千葉県以南、日本海側では福井県以南の海辺に生える。全草、特に根(鱗茎)に、ヒガンバナ科に共通するリコリン(アルカロイド)という毒を含むので食べてはいけない。
ここから北に向かって海岸線を歩く。

道端にはクマツヅラ科ハマゴウ属のハマゴウ(Vitex rotundifolia)がたくさん咲いている。東北地方南部以南の海岸の砂地などに生える落葉小低木で、東アジア、東南アジア、オーストラリアまで広く分布する。葉は対生し、裏面は灰白色となる。枝先に円錐花序をだし、芳香のある青紫色の花を多数つける。乾燥させた実は蔓荊子(まんけいし)という生薬となり、漢方では滋養強壮、解熱、消炎等に用いられる。

こちらはオナモミ属のオオオナモミ(大雄菜揉み、Xanthium occidentale)と思われる。子供の頃、「引っ付き虫」といって刺のある実を投げて服に付着させて遊んだ、オナモミの大型種で、北アメリカ原産の帰化植物である。昔よく見かけたオナモミはほとんどこのオオオナモミにとって代わられたといわれる。

こちらの花は、マメ科クズ属のクズ(葛、Pueraria lobata)である。日本中の山野の至る所に見られる大型のつる性の多年草で、根は太く大きく多量のでんぷんを含んでいて葛粉がとれる。和名は、かつて大和国奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。万葉の昔から秋の七草の一つに数えられる。紅紫色の芳香のある花は、下から上へと咲き上がっていく。
クズは食用にされるとともに、根を干した生薬、葛根として漢方で利用されるが、よく繁茂して駆除ができないことから、近年は世界中で侵略的外来種として嫌われる雑草とされている。

こちらも雑草の一つに数えられる花で、へクソカズラ(Paederia scandens var. mairei)という。日本全土のやぶなどに生える多年草のつる草で、全体に悪臭があることから屁くそ葛と呼ばれる。また、花の中央が赤く、お灸(ヤイト)の痕に似ていることからヤイトバナとも呼ばれる。

岩井の海岸がとぎれた左手に小さな岩壁の跡があり、とみやま・きょなんウォーキングマップには、戦争遺跡給油岩壁跡と記されているがそれ以上の詳細は分からない。
ここで右手に分かれて隧道をくぐって進む。