半坪ビオトープの日記


山の鼻へと下る木道がだんだん緩くなり、木の間から左に残雪のある至仏山(2228m)が時々見えるようになる。渓流に沿うようになると、ガマズミ属のオオカメノキ(Viburnum furcatum)の花がこぼれ咲いている。日本各地の山地に生える落葉低木で、高さは2〜5mになる。ムシカリともいう。

3枚の葉を輪生させているのは、ユリ科エンレイソウ属のエンレイソウ(Trillium smallii)という。日本各地の山地の湿り気のある林内に生える多年草で、褐紫色の目立たない花を一つつける。

4枚の葉を輪生させているのは、ユリ科ツクバネソウ属のツクバネソウ(Paris tetraphylla)という。日本各地の深山の林内に生える多年草で、淡黄緑色の目立たない花を一つつける。
葉が羽根つきの羽根に似るので、衝羽根草という。

類縁種のこちらは、6〜8枚の葉を輪生させるクルマバツクバネソウ(Paris verticillata)という。植生はツクバネソウとほぼ同じである。
葉が8枚、花枝の先の外花被片が4つあり、雄しべが8本と、8−4−8の放射状の対称が面白い。

渓流沿いにはぼちぼち水芭蕉の葉が見え始めるが、すでにほとんどが咲き終わっている。この黄色の花は、オオバミゾホオズキ(Minulus sessilifolius)という。中部以北の日本海側と北海道の亜高山帯の湿地に群落をつくる多年草で、葉には柄がない。

オオバミゾホオズキに似たこの花は、スミレ属のオオバキスミレ(Viola brevistipulata)という。近畿地方以北と北海道の日本海側の多雪地の湿った林内に生える多年草である。日本特産種で変化も多い。