半坪ビオトープの日記

隧道をくぐり抜けると鋸南町岩井袋の集落になり、道端にはセンニンソウ属のセンニンソウ(Clematis terniflora)がたくさん咲いていた。日本全土の山野に広く見られるつる植物で、葉は普通5枚の小葉をもつ羽状複葉になる。4枚の花弁に見えるのは萼片で、本来の花弁はない。果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲに見立ててこの名がついた。クレマチスの仲間だが、有毒なので注意を要する。別名にウシノハコボレがあるが、牛が牧草と一緒に食べると歯が抜けてしまうことから付いた名で、有毒だから普通牛は食べない。

海岸に向かって下って行くと左手の浅間山の麓に浅間神社がある。典型的な明神鳥居も石造で強固だが、社殿は津波対策かがっしりとした石垣に囲まれていて、小さいながらも古めかしい狛犬が右に二つ左に一つ構えている。社殿の右手には赤い鳥居に摂社が祀られ、左手には裏の浅間山へ上る道がある。狭い頂上には簡素な社殿があるという。

岩井袋港は入り組んだ自然の良港で、港の先から眺め渡すと、先ほどの浅間神社が右の浅間山の麓に見える。この左手にも漁船が見られた。

これが港の先を見たところで、中央奥の黒光りする屋根が海上神社の社殿である。

海上神社は、崖を背にしてちょっと狭苦しい感じだ。右手に復旧記念碑はあるが、そのほかに由緒書きなどの手がかりがなく由来は分からない。
右手奥には末社が見え、掛かる鈴は緑青で青緑色になっていた。

拝殿の向拝内部に見える虹梁の彫刻は、逆巻く波の合間に鯛らしき魚が跳ねる図柄で面白い。

岩井袋の集落の中程に福蔵寺がある。真宗大谷派ということだが詳細は分からない。