半坪ビオトープの日記

アイヌ文化交流センター


北海道では、GWの時期となってもまだ山間では雪がたくさん残っている。小樽から札幌郊外の定山渓へ抜ける定山渓レイクラインを走ると、小樽内川に沿った道路脇にはおよそ50cmほどの残雪があった。雪だらけの道を抜けると定山渓ダムによってできたさっぽろ湖に出る。堤高が117mあり、豊平峡ダムと合わせ、100m以上の堤高をもつ多目的ダムが2つもある政令指定都市は、札幌市が唯一である。

札幌の奥座敷とも呼ばれる定山渓温泉の手前を市内に向けて少し戻ると、小さな小金湯があり、その敷地の隣に札幌市アイヌ文化交流センター(サッポロピリカコタン=札幌の美しい村)が建っている。

屋外は歴史の里と自然の里に分かれ、自然の里の中央には沢の水を溜めた池があり、周囲には茣蓙を編む蒲(ガマ)やペカンペ(菱の実)など湿地に生える植物が茂っている。歴史の里には、アイヌ民族の伝統的家屋であるチセがいくつか再現されている。大きな家はポロチセといって、主に儀式や集会に使われていた。小さな家はポンチセといい、家族の住まいだった。

チセの周りには、ヌササン(祭壇)、ペペレセッ(小熊の飼育檻)、プ(足高倉)、ル(便所)などが建てられている。

館内1階の展示室では、「見て、触れて、体験して」をキャッチフレーズに、展示物に直接触れることができる。

北海道アイヌ協会札幌支部(当時)の人々が復元製作した、約300点の民具が展示されている。このコーナーでは「女の仕事」に使われるものが集められている。

アイヌの楽器のトンコリや、弓や茣蓙なども展示されている。

このコーナーでは、山仕事や漁猟、農具など仕事に使う道具などが展示されている。

古くから風光明媚な湯治場として知られた小金湯は、明治16年頃、熊本からの入植者により、桂の木の下から湧出している温泉が発見されたことに始まる。小金湯のシンボル・桂の木は、推定樹齢約700年、樹高約23m、幹周りは10m以上の大木で、北海道の記念保護樹林に指定されている。

その昔、定山渓を開いた美泉(みいずみ)定山が、根元で仮眠した際、樹霊が夢枕に現れ、霊泉が湧くことを告げたという言い伝えが残っている。根元のウロ(空洞)に不動尊が祀られていたことから「桂不動」と呼ばれるようになった。