半坪ビオトープの日記

開聞山麓、トカラ馬、池田湖


開聞岳(924m)の東麓に、開聞山麓自然公園がある。園内には宝島産のトカラ馬が、多数放牧されている。

カラ馬は、トカラ列島で飼育されてきた日本在来種の馬で、体高は約100~120cmと在来馬の中でも最小クラス。暑さに強く古くから農耕や運搬、サトウキビ搾りなどに使われてきたが、トカラ列島南端の宝島で確認され「トカラ馬」と命名された翌年、1953年に県の天然記念物に指定された。その後、頭数が減少したため数頭を残してこの自然公園と鹿児島大農学部付属牧場に移され、保護・繁殖が図られている。現在、この2箇所と中之島で合計100頭以上が飼育されている。

トカラ列島屋久島から南西の、南北160kmに及ぶ鹿児島県十島村で、人が住む7島全ての住民数は630人(平成24年現在)と少ない。その南端の宝島に明治30年(1879)に喜界島から10数頭の馬が導入された。その後、喜界島では軍馬生産のため雑種化・大型化が進み、在来の喜界馬は絶滅したという。ほとんどの馬は黒毛だが、中に栗毛の馬も少しだけ混じっている。

敷地面積約825haと広大な開聞山麓自然公園には、フェニックス、ヤシ、ハイビスカス、サボテンなど、世界各地の亜熱帯植物が生い茂っている。園内の道路を上り詰めると、長崎鼻や池田湖、東シナ海、遠くに佐多岬が一望できる展望台がある。

西の正面に聳える開聞岳は、薩摩半島の南東端に突出している若い休火山で、鹿児島湾の門戸に当たる海門にその勇姿があるので、「かいもん」と呼ばれるようになったが、古くはヒラキキ岳とよばれ、枚聞大神の神霊が宿る御神体山としての古代信仰の形態が残っている。
海抜924mの美しいコニーデ火山で、頂上に約100mの高さの円頂丘があるのでトロコニーデ式ともいわれる。4000年前頃火山活動を開始し、有史以降の噴火記録は6世紀頃からあり、貞観16年(874)と仁和元年(885)に大噴火している。全山樹木に覆われ、明るい南薩の海岸に屹立する姿は薩摩富士の名にふさわしい。開聞岳の西南の突出部には約20mの海食崖、東と北西には美しい砂浜が続く。

東方向には、開聞岳の東麓に広がる川尻の集落が見える。長崎鼻へと続く砂浜は川尻海岸と呼ばれる。

その右手には長崎鼻が見えるが、晴れ上がっていれば見えるはずの大隅半島は霞んでいて見えない。

北には山の間に池田湖がようやく確認できるが、霞んでいて見えにくい。

この近くには食事をする場所が少ないので、池田湖の西側の湖畔にある池田湖パラダイスに立ち寄った。池田湖から南の外輪山の右手に開聞岳が見えるのだが、かなり雲が湧いていて霞んでほとんど見えなかった。

池田湖は、薩摩半島南東部にある直径約3.5km、周囲約15km、ほぼ円形のカルデラ湖で、九州最大の湖である。湖面の標高は66m、深さは233m、湖底から高さ約150mの湖底火山がある。約5500年前に阿多カルデラに関連した火山活動があり、地面が落ち込んで池田カルデラが形成され池田湖ができたとされる。

池田湖には、体長1.8m、胸回り60cm、体重20kgもの大ウナギが多数生息していて、指宿市の天然記念物に指定されている。このレストランにもいくつか展示されている。