半坪ビオトープの日記

白水阿弥陀堂


6月上旬に安達太良山ハイキングのため会津に出かけた。初日は、東日本大震災以来、ようやく全線開通した常磐自動車道を通って、いわき市南相馬市に立ち寄りながら会津に入った。いわき市では、国宝の白水阿弥陀堂を訪ねた。白水川にかかる朱塗りの阿弥陀橋の先に駐車場があり、境内に入ると反り橋の向こうに白水阿弥陀堂の屋根が見えてくる。

阿弥陀堂の手前には左右に大きな苑池が造園され、浄土庭園と呼ばれる。阿弥陀堂の背後には経塚山を主として山々が取り巻いており、山々を蓮の花にたとえて作庭されたという。この池は、阿弥陀堂に向かって左の池である。

白水阿弥陀堂は、苑池に北から半島上に伸びる島の上に南面して建っている。反り橋を渡ると小さな柵があり、左手が受付となっている。

阿弥陀堂の手前にもう一つ橋が架かり、平橋という。色鮮やかな若葉が茂る先に阿弥陀堂が近づいてきて厳かな雰囲気に包まれる。

平橋の右手には苑池が広がっていて、池の中に配置された岩も風情がある。

平橋の左手は島が迫っていて、右手とは違う景観を見せている。

願成寺阿弥陀堂は、奥州藤原3代の基礎を築いた藤原清衡の養女徳姫が、永暦元年(1160)に亡夫の冥福を祈り、平泉金色堂を模して建立したと伝えられる。白水の地名は、徳姫の故郷奥州平泉の泉を分字して白水と名付けたと伝えられている。通称、白水阿弥陀堂と呼ばれるが、真言宗智山派の願成寺阿弥陀堂が正式名で、福島県内唯一の国宝建築物である。

徳姫の夫は、清衡の庇護のもと、好嶋荘の開発を進めた岩城氏の祖・平則道とされている。阿弥陀堂は、方3間の単層宝形造で、屋根は杮葺。堂内の壁板には壁画が描かれていたと思われるが、現在一部にわずかに面影が残るのみである。

内部には阿弥陀如来像を中心に、両脇侍の観世音菩薩像と勢至菩薩像、ならびに二天像(持国天多聞天)の5体の仏像が安置され、国の重文に指定されている。本尊阿弥陀如来は寄木造漆箔像で、浅い衲衣の衣文、透彫の飛天光背と九重の蓮華座に座る平安時代末期の典型的な特徴を示している。撮影禁止なのでパンフの切り抜きを載せる。

白水阿弥陀堂の大イチョウは、樹高12m、目通り幹囲4.9m、樹齢は不明だが、いわき市の天然記念物に指定されている。このイチョウが黄色く色づく頃には、浄土庭園内も真っ赤な紅葉に彩られ、ライトアップも行われる。