種子島の東南端の海岸線に種子島宇宙センターがある。ロケットや人工衛星の組み立てから、整備、点検、打ち上げまで一連の作業を行う、日本の宇宙開発の中核的存在だ。総面積は970万m2(東京ディズニーランド20個分)に及ぶ。種子島宇宙センターの中で、観光客が宇宙を体感できるのが宇宙科学技術館である。
宇宙科学技術館の奥には美しい芝生とカセ島・小島の浮かぶ変化に富んだ海が広がる。
館内は、ロケットエリア、フロンティアエリア、サテライトエリア、ステーションエリアに分けられて展示・紹介されている。まずは一階のロケットエリア。「日本のロケット開発の変遷」では、1970年代の N-Ⅰロケットから2020年のH-ⅡBロケットまでの模型が展示されている。
こちらはH-Ⅱロケット第1段用のLE-7エンジン。
110tの推力を得る2段燃焼エンジンである。
2段燃焼サイクルシステムや液体酸素ターボポンプなどの詳しい説明がされている。
LE-7エンジンの2段燃焼サイクルは、スペースシャトルよりシンプルな構造、などの説明もロケットの素人には難しくて理解できない。
特徴を紹介している。ここを訪れた2週間前の2024年2月17日に、試験機2号機の打ち上げで初めて衛星の軌道投入に成功したばかりであった。ちなみに3号機の打ち上げ予定は6月30日である。最近、次のような記事が新聞に載った。「世界初の木造人工衛星「Ligno Sat」が完成したと、京都大学と住友林業が発表し、JAXAに引き渡され、今週にも宇宙空間に放出される」とのこと。誠に宇宙開発の技術は日進月歩である。
宇宙飛行士・油井亀美也は、41歳でJAXAに認定された後、NASAで訓練を受け国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在員に任命された。その後、ロシア連邦宇宙局のソユーズ宇宙船の打ち上げで、国際宇宙ステーションとドッキングに成功し、141日の宇宙滞在ののち地球に帰還した。その油井宇宙飛行士のサインのある写真が展示されていた。人工衛星による宇宙探索や国際宇宙ステーションの様子など様々な角度から説明がされていた。ロケットの設計や衛星の制御など、シュミレーターを用いて擬似体験するコーナーもあった。
種子島宇宙センターに通ずる道端から、象の水飲み岩の海蝕洞を眺めることができる。
今朝は竹崎海岸の西から東に象の水飲み岩を眺めたが、今度は竹崎海岸の東から西に眺めることになった。残念ながら、こちらから見ると象の水飲みには見えない。