半坪ビオトープの日記

ツチガエルとヌマガエル


8月末に恒例の読書会合宿で、房総の岩井海岸に出かけた。千葉県は関東一の早場米の産地で、早くも稲刈りが始まっていて、田んぼの周りには小さなカエルがたくさん飛び跳ねていた。中央彼方に見える奥の双耳峰が、南総里見八犬伝の舞台となった伏姫籠穴がある富山である。

そんな道端でヤマカガシを見つけた。子供の頃、飼っていたことがあるが、その頃は無毒とされていた。だが、ヤマカガシが毒蛇であることはあまり知られていない。しかも、日本三大毒蛇(マムシ・ハブ・ヤマカガシ)の毒性では第一位である。ヤマカガシの毒性は、マムシの3倍、ハブの10倍の強さである。ハブやマムシと違って前歯に鋭い毒牙がなく、口腔の後方に毒牙を有するおとなしい蛇なので、手で触ったり踏みつけたりしない限り噛まれることは余りないといわれるが、噛まれると死に至ることもあるので注意が必要である。カエルが主食のため、里山の渓流近くや水田、畑、河川林などに多く生息している。全長は70~150cmとされ、この個体は約80cmであった。

ヤマカガシを見かけた近くの道端で、カエルをいくつか捕まえた。帰宅してからバケツに入れて写真を撮った。左側がアカガエル属のツチガエル(Rana rugosa)である。背中にシワが多く見た目は可愛くない。約3cmの大きさなので、生まれて2年目のカエルであろう。右がアマガエル属のニホンアマガエル(Hyla japonica)である。約25mmの大きさなので、成体なら雄であろう。

こちらの小さなカエルは、大きさが15mmほどなので、今年生まれたツチガエルであろう。

こちらの小さなカエルも今年生まれたカエルと思われるが、背中線があるのでヌマガエル属のヌマガエル(Fejervarya kawamurai)と思われる。どのカエルも、関東地方ではよく見かけるカエルである。

一昨年の秋にカエル池に放したニホンアカガエルは、去年の夏に一度見かけた以後、全く姿を見ないままである。5cm程に育っていたが、どこか隙間から逃げ出したのか、あるいはカラスにでも喰われてしまったと思われる。今回はどれもありきたりのカエルで、アカガエルに比べると見劣りがするけれども、ようやく数匹放すことができて、カエル池もいっとき賑わっている。ただし、左上のイソギクの葉にしがみついているアマガエルは、水にこだわらないので居着くのは難しいだろう。翌朝にはカエル池の垣根の上の方によじ上っていたのを見かけたが、それ以後は姿を見ていない。

ツチガエルやヌマガエルは、水辺が大好きなので居着いてくれるかもしれないが、翌日からは、大き目のツチガエル以外、ほとんど姿を見せていない。エサになるアリやダンゴムシは、かなり増えてカエル池の周りを歩き回っているし、ワラジムシもいくらかは増えていると思うのだが。