半坪ビオトープの日記

十勝岳温泉


大雪山とは一座の山の名称ではなく、大雪山国立公園全体の総称である。北大雪、表大雪、東大雪、十勝連峰と大きく四つの山域に分けられる。最もポピュラーなのは、北海道の最高峰、旭岳を中心とする表大雪で、トムラウシ山まで含まれる。トムラウシ山の南西に続く十勝岳連峰の、三段山の中腹に十勝岳温泉(凌雲閣)がある。

上富良野町にある十勝岳温泉は、標高1,290mにあって、北海道で最高所の温泉地であり、登山基地にもなっている。宿から山を望むと、左手に三段山(1,748m)が構え、正面の谷の一番奥に上ホロカメットク山(1,920m)が聳えている。そのすぐ右辺りに上富良野岳(1,893m)があり、一番右手に三峰山(1,866m)が見える。明日登る予定の上ホロカメットク山には、沢の左側を進んで右手の尾根に上がり、尾根筋を上り詰めることになる。

宿の正面の尾根は温泉スロープという尾根で、冬期にはここを直登するようだ。そのスロープの向こうに三峰山が見える。右になだらかな縦走路が続き、富良野岳に至る。

三峰山から稜線上を右に進んだ奥の山が、富良野岳(1,912m)である。

富良野岳の右手に尖ったコブが見えるが、これは富良野岳の手前になる。ここらが広大な大雪山国立公園の西南端になる。

十勝岳温泉は、昭和38年(1963)に凌雲閣が山小屋として営業を始めたのが最初である。茶色いカルシウム・ナトリウムの硫酸塩泉と透明な酸性泉の2種類の泉質が楽しめる。茶色の露天風呂から十勝岳連峰の絶景を眺めてのんびりすると、深山の仙人の気分に浸れる。

大岩がどかんと鎮座する内湯(男湯)にジャグジーやサウナもあり、岩に圧倒されつつもくつろげる。

玄関前からは富良野の彼方に沈む夕日が美しい。雲を凌ぐ宿と命名されたように、雲海の上に建っていることが実感できる。