半坪ビオトープの日記

登山開始


宿の前に大きな駐車場があり、その右手に登山口があるので、登山届けを提出してから登り始める。8時出発では登山としては遅く、駐車場は既に満杯だった。十勝岳まで登る元気な登山者達は、多分4時か5時頃には出発しているのだろうが、普段ハイキング程度しかしていないなまくら高齢者の軽装ハイキングでは、ゆっくり旅館の朝食を済ませてからでないと身体が動かない。いよいよ上富良野岳、上ホロカメットク山に登り始める。

歩き始めたらさっそく道端で、オオハナウド(Heracleum lanatum var. asiaticum)を見つけた。立山でもよく見かけたが、セリ科の花の中では、周辺部の花弁が大きく最も見栄えのする花である。

比較的緩い上りが延々と続き、陽も高くなっているので早くも汗ばんできた。左手に構える三段山(1,748m)の山容が大きく見える。右裾に見える牙状の岩は、夫婦岩の片方である。

ごろた石の登山道を進むと、道端に今度はシラタマノキ属のイワハゼ(Gaultheria ovatifolia ssp. adenothrix)が咲いていた。北海道、本州、四国の山地帯〜高山帯下部の林縁に生える常緑小低木で、高さは10~30cmになる。上部の葉腋に白い花を1個ずつ咲かせる。花冠は長さ7mmほどの鐘形で浅く5裂する。果実は6mmほどで赤く熟し、別名をアカモノという。純白の花冠に濃紅色の萼が鮮やかである。

登山道の右手に緑の大きな尾根が近づいてきた。頭が蔭で黒く見えるせいか、化物岩という。その左に見えるギザギザの岩は、八ツ手岩という。その左手に上ホロカメットク山(1,920m)が見える。

登山道脇で、エゾオヤマリンドウ(Gentiana triflora var. japonica subvar. montana)を見つけた。北海道と東北地方に自生するエゾリンドウの高山型で、北海道の大雪山、夕張岳、羊蹄山や東北地方の岩手山などに分布する。高さは13~30cmと低く、花付も悪く茎の先だけにつく。

こちらの黄色の花は、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virga-aurea ssp. leiocarpa f. japonalpestris)である。北海道と中部地方以北の亜高山帯〜高山帯の草地や礫地に生える多年草で、高さは15~70cmになる。別名、コガネギクというように、秋の山道ではよく目立つ花である。

こちらも登山道脇でよく見かける花で、ゴゼンタチバナ(Chamaepericlymenum canadense)である。北海道、本州中部地方以北、四国の亜高山帯〜高山帯の林下や林縁に生える多年草で、高さは5~15cmになる。

ようやく三段山分岐を過ぎた。三段山コースは崩壊箇所があるため通行禁止となっている。