半坪ビオトープの日記

善光寺、本堂


善光寺参道を進むと三門の手前左側に放生池があり、その橋の向こうの大門の中に、大勧進の建物がいくつも並んでいる。右の大きな屋根が本堂の萬善堂で、十一間四面の御堂の正面に本尊善光寺如来を安置している。

参道の正面に聳え建つ三門は、五間三戸二階二重門、入母屋造栩葺(とちぶき)で、寛延3年(1750)に竣工している。正面の扁額は輪王寺門跡公澄法親王の筆で、通称「鳩字の額」と呼ばれ、3文字の中に鳩が5羽隠されている。さらに「善」の一字が牛の顔に見えるといわれ「牛に引かれて善光寺参り」の信仰を如実に物語るという。

二階中央間の須弥壇文殊菩薩と四天王像が安置されていて、一般公開されている。三門の蟇股の彫刻は何だろうか。松に鳥と思われるが縁起の良い鶴だろうか。

三門の手前右手には、ぬれ仏がある。享保7年(1722)に善光寺聖・法誉円信が全国から喜捨を集めて造立した延命地蔵尊である。江戸の大火を出したといわれる八百屋お七の霊を慰めたものという伝承があり、俗に「八百屋お七のぬれ仏」とも呼ばれる。

三門の内側左手には大勧進の赤門があり、その右手にも門が開いている。正面に見えるのは護摩堂で、智証大師作と伝わる不動尊を中心に、愛染明王、元三大師の尊像を奉安する。特に日本三大不動といわれる厄除不動尊はよく知られている。

善光寺本堂は、創建以来十数回も火災に遭ったが、そのたびに全国の信徒によって復興されてきた。現在の本堂は宝永4年(1707)の再建で、江戸時代中期を代表する仏教建築として国宝に指定されている。間口約24m、奥行約54m、高さ約26mあり、縦長で丁字型の撞木造という建築様式で、全国最大級の木造建築物である。裳階(もこし)を廻らせた二重屋根は、総檜皮葺きとしては日本一の規模を誇っている。

まず外陣中央には妻戸台と呼ばれる舞台があり、その右側にはびんずる尊者が安置され、その間に親鸞聖人お花松が生けられている。妻戸台左には閻魔王と十王像が安置されている。

本堂内は撮影禁止なので、パンフの切り抜きで簡単に説明する。内陣に進むと頭上の欄間で来迎二十五菩薩像が燦然と輝いている。

内陣左側の焼香台より内々陣奥を見ると、金襴の戸張が懸かるところが瑠璃壇で、秘仏の本尊が安置されていて御本尊と呼ばれる。

内陣右側の焼香台より内々陣奥を見ると、善光寺を開いた本多善光卿と奥方の弥生の前、子息の善佐を祀る御三卿の間があり御開山と呼ばれる。内々陣の右を奥に進むと「お戒壇めぐり」の入口がある。瑠璃壇下の真っ暗な廻廊を通り、中程に懸かる極楽の錠前を探り当てて、秘仏の本尊と結縁する道場である。