半坪ビオトープの日記

大山寺、中渡り


大山寺参道から東に分かれ、佐陀川の南光河原を渡って、大山寺の支院がいくつかある西明院谷寺院群へ向う。すると道端にイカリソウ属の花が咲いていた。初めて見るが、これは主に太平洋側に自生するイカリソウとは違う、トキワイカリソウ(Epimendium sempervirens)である。主に北陸から山陰にかけての日本海側に自生する。トキワ(常葉)というように、冬に枯れるイカリソウと違って冬の間も枯れない葉がある。

こちらの白くて小さい花は、アカネ科のクルマバソウ(Asperula odorata)である。去年、尾瀬でも見かけたが、車輪のように輪生する葉が目立つので覚えやすい。乾くとクマリンの香りがして、ヨーロッパではビールやブドウ酒の香りづけに使うという。

この砂防堤が中渡りといい、洞明院までの道だが、水量が多いと渡るのが難しそうだ。

上流を見ると上渡りがあるはずだが、木々に隠れてよく見えない。

下流に目をやると、下渡りだったところには大山寺橋が架けられて駐車場も見える。

中渡りを渡りきり林の中を進むと、色とりどりの花が咲いている。ミヤマカタバミ(Oxalis griffithii)の白い花が大きく開いている。

岩陰には、ネコノメソウ属の花が咲いていた。ネコノメソウの仲間も数多く特定するのが難しいが、ホクリクネコノメソウ(Chrysosplenium fauriei)の一品種であるサンインネコノメソウだと思われる。西日本それも山陰の花をじっくり見るのは初めてなので苦労する。

こちらの花は、日本全国の山地の林内でよく見かけるエンレイソウ(Trillium smallii)である。大きな3枚の葉が目立つ。花びらにあたる内花被片がなく、外花被片は緑色から褐紫色である。東日本では褐紫色が多く、大山寺では緑色のものばかり見かけた。

こちらのテンナンショウ属の花は、マムシグサ(Arisaema serratum)である。マムシグサの花のような仏炎苞には、紫色のものが多いが、このように緑色のものもあり、アオマムシグサとも呼ばれる。

こちらのスミレの花は、タチツボスミレより花が一回り大きいので、オオタチツボスミレ(Viola kusanoana)であろう。