半坪ビオトープの日記

大山、蒜山


中渡りの道を進むと、大山の夏山登山道と交差する。突っ切ると左にひっそりと洞明院が建っている。西明院谷寺院群に属し、現在は宿坊となっている。入口の門は江戸時代初期のものと伝えられ、花や猿の緻密な彫刻が施されている。洞明院の先を左に折れて上り詰めると、天文21年(1552)に再建されたといわれる大山寺阿弥陀堂が建っている。本尊の丈六の阿弥陀三尊像は、天承元年(1131)大仏師良円により造られた定朝様の仏像である。建物ともども国の重文に指定されているが、この日は拝観できないとのことなのであきらめた。

洞明院の右手には、圓流院が建っている。画僧嗒然が江戸時代に院主を勤めていたことで知られていたが、建物が老朽化したため平成21年に再建された。本尊は地蔵菩薩で、建物とともに二百年ぶりに修復された。

天井には「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な境港市出身の水木しげるの妖怪画108枚と「阿弥陀浄土」「補陀落浄土」の計110枚の天井画がはめ込まれている。拝観志納金が必要だが、寝そべって見ることができる。

志賀直哉が滞在したという蓮浄院の跡を通って大山寺参道へ戻る。大山寺橋からは、まだ雪が残っている男性的な大山の北壁が全て見渡せる。雪のない稜線を右に上り詰めた、一番右の峰が信仰の対象となっている弥山(1709m)で、正面右寄りが最高峰の剣ヶ峰(1729m)、正面黒い木々の向こうに見えるのが天狗ヶ峰(1710m)、一番左に三鈷峰(1516m)と並んでいる。

橋を渡りきってアップすると、一番右の峰が弥山で、黒い木のすぐ右の峰が剣ヶ峰である。

大山寺参道の駐車場に戻り次に向う。大山南の米子自動車道を走り、蒜山高原の東から倉吉に向う。大山を南から見ると、男性的な北壁と違って、優しい山容をしている。

岡山県北部にある蒜山高原は、近年B級ぐるめの「ひるぜん焼そば」で人気が出ている。だが目当ての有名店はどこもかなり並ぶ混雑だったので、一番東のはずれにある蒜山高原スポーツランドの「粋呑房」に入った。

この店だけが空いていたので心配したが、ちらし(公認店マップ)に掲載されている店で、若鶏肉使用のためか「ひるぜん焼そば」は思ったより美味しく満足できた。

蒜山高原東端から犬挟トンネルを抜け、鳥取県倉吉市関金町にある道の駅「犬挟(いぬばさり)」に寄った。大山が見えるかと西の方向を見たが、この山は下蒜山(1100m)だろうか。