半坪ビオトープの日記

大滝山地蔵院


犬挟から山を下ると、江戸時代に湯関宿と呼ばれていた倉吉市関金の町に着く。弘法大師空海によって開かれたと伝えられる関金温泉の最奥部に、「関の地蔵さん」と呼ばれ地元の信仰の篤い大滝山地蔵院がある。

細長い境内の一番左には、方丈の大師堂が建っている。

大師堂の右には、延命ぽっくり地蔵尊が祀られている。

その右に建っている白壁の建物は、霊明殿である。

大滝山地蔵院は、天平勝宝8年(756)に行基によって創建されたと伝えられる。源頼朝の命を受けて、佐々木四郎高綱が普請奉行となり、七堂伽藍を造営し建久3年(1192)に42坊を建立したが、天文13年(1544)の大洪水により大滝山を含めた42坊はことごとく流失した。そこで、地蔵院増海が本願となり、寛永17年(1640)に再興したという。

現在は真言宗御室派に属し、本堂の本尊は大日如来である。寺宝として、鎌倉時代の青銅製擬宝珠と、中国宋代(10~13C)の青磁香炉がある。

寛延3年(1750)に移転してきたという荒廃した小堂に安置されていた、丈六の木造地蔵菩薩半跏像は、現在、収蔵庫に移されて公開されている。

地蔵菩薩半跏像は、檜の寄木造で、像高が340cmあり、鎌倉時代の作と推定され、国の重文に指定されている。これだけ大きな地蔵菩薩を間近で見ることができるのは珍しい。丸顔で頼もしいお地蔵さんであり、1000年近く庶民に信仰されてきた風格が感じられる。

収蔵庫の前には、弘法大師銅像が建っている。