半坪ビオトープの日記


道端にはヤマツツジの他にもいろいろと初夏の花が咲いている。この筒状花は、ツクバネウツギ(衝羽根空木、Abelia spathulata) という。
ツクバネとは、花の落ちた後の5枚の萼片の形に由来する。関東以西の山地に自生する。花冠は3cmほどで、5月に咲く。

蛇が鎌首をもたげたような仏炎苞が特異な姿をしているこの花は、テンナンショウ属のマムシグサ(Arisaema serratum) という。日本中に分布するが、地方変異が大きくいくつもの地方型が区別されている。緑色のこの個体が普通種である。

こちらの花は、アジサイ属のガクウツギ(Hydrangea scandens) という。関東以西に自生する落葉低木である。両性花は緑黄色で小さく、装飾花は白色で主に3枚の萼片からなる。葉が細く光沢があり、花が咲いていないとアジサイ属には見えない。

宿坊街から分岐してようやく登山道に入る。日差しがきついので、うっそうとした樹林帯の中の道は心地よい。
はじめに階段状の登りがあるが、ほとんど平坦の道が日の出山近くまで続く。

東雲山荘に着くと、あと一登りで日の出山山頂である。
この可愛らしい花は、ドウダンツツジ属のチチブドウダン(Enkianthus cernuus var. matsudae) という。シロドウダンの変種で、関東から近畿地方にかけて分布する。5〜6月頃、6mmほどの花柱が飛び出た鐘状花を咲かせる。