塔のへつり一帯は、数百〜数千前にできた第三系凝灰岩、凝灰角礫岩、頁岩などが互い違いになった地層からなり、その軟岩部が10万年程にわたる浸食と風化の作用により形成された柱状の断崖と推定されている。
塔のへつりの「へつり」とは、会津方言で川に迫った険しい断崖のことを意味し、漢字では山冠に弗と書くが、かな表記が標準化している。
全長200mにわたって整列している奇岩を巡るように通路が彫られていたが、崩落等のため舞台岩周辺以外は立ち入り禁止となっている。
塔のへつりの圧倒的な景観は古くから自然崇拝的な信仰があったと思われ、舞台岩の裏手の洞窟の奥には大同2年(807)に坂上田村麻呂が創建したと伝えられる虚空蔵菩薩が祀られ、内部には宝暦3年(1753)に再建されたとされる本堂が建立されている。本堂内部は撮影禁止である。
本堂の左手に続く洞窟にも、虚空蔵菩薩らしき仏像が安置されている。
最後にもう一度、崖の下から塔のへつりを眺めてみた。まだ紅葉には少し早かったが、季節となれば絶景となり、相当混雑もするだろう。
駐車場で一本だけ紅葉しているモミジを見つけた。