半坪ビオトープの日記


駒ヶ根市赤穂、駒ヶ根高原にある光前寺は、長野県屈指の大寺であり、南信州随一の祈願霊場として広い信仰を集めている。早太郎伝説と光苔、境内のしだれ桜と庭園が有名である。
光前寺の入口の左(東)にある、駒ヶ根高原美術館は、池田満寿夫草間弥生などの作品を常設展示している。
天台宗の別格本山である宝積山光前寺は、古記録が武田勝頼織田信忠との戦いなどの罹災により失われたが、寺伝によれば、平安時代貞観2年(860)、円仁の弟子、本聖上人が開山したとされる。天正慶長の頃には武田氏、羽柴氏などの庇護を受け、佐久郡、諏訪郡まで寺領を拡げた時期もあったという。江戸時代には徳川家光から朱印地60石を受けた。

昭和19年建築の仁王門に安置されている金剛力士像(仁王像)は、大永8年(1528)に作られたもので、駒ヶ根市有形文化財に指定されている。仁王門とその左にある大講堂周辺には、数十本の枝垂れ桜が植えられていて、満開の時期には境内が桜色に彩られるという。

光前寺は鬱蒼とした杉の林の中にあり、樹齢数百年の巨木も多い。杉木立の参道沿いの石垣の石と石の間には、陽の光を反射して緑色に輝く「光苔」が自生していて、神秘的な光を放っている。光苔の見頃は、5〜10月という。

本坊客殿は建築年代が不明だが、薬師如来、弁財天を祀っているほか、宝物殿としていろいろと展示している。庭園と込みの拝観料を払うと茶菓が出される。

本坊客殿の縁の下にも「光苔」が見られるが、残念ながら盗難除けの金網が張ってある。

光前寺には、道隆式池泉庭園や築山式枯山水、築山式池泉庭園と三つの庭園があり、広大な境内全域が国の名勝指定を受けている。
本坊客殿奥の庭園は、築山式池泉庭園であり、前面に池を掘りその奥は自然の傾斜地を築山に見なし、巨石を立てて庭景の中心としている。秋の紅葉も美しいという。

池尻は客殿南に導き、多数の石を枯山水風に組んでいる。築造年代、作者等は不明であり、近世に改変された跡もあるが、石組等には中世の優れた意匠手法を見ることができるとされている。