半坪ビオトープの日記


尾瀬ケ原のど真ん中の少し東に建つ竜宮小屋は真っ黒で堂々としていた。湿原に囲まれていて至仏山の夕日、燧ヶ岳の朝日も見られるので、カメラマンの利用が多いという。季節にはホタルも見られるそうだ。

ここからは朝通った道を戻るので、見納めに撮るくらいだろう。木道の脇でリュウキンカが鮮やかに咲いていた。

この辺りの川には小さな魚が泳いでいる。尾瀬ケ原では、10cmくらいの魚はほとんどがアブラハヤといわれる。浅いところにはイモリも歩いている。多分、ルリイトトンボだろう、青いイトトンボも飛んでいる。

タテヤマリンドウの群落も見つかった。左上にはつぼみも見える。

上田代で、行きに撮り損なったガクウラジロヨウラク(Menziesia multiflora var. longicalyx)をとらえることができた。本州の新潟県以北の日本海側の山地に生える落葉低木で、高さは1mほどになる。主に太平洋側に分布するとされるウラジロヨウラクに比べて、花にかぶさる萼片が長いのが特徴である。瓔珞とは仏像の天蓋などに付ける垂飾りのことで、ヨウラクツツジという筒形の花を咲かせるツツジに似た、葉の裏が白っぽいものをウラジロヨウラクと呼び、これはその変種である。

そろそろ山の鼻に近づいてきた。鳩待峠と山の鼻往復を除くと、尾瀬ケ原だけを一周するのにおよそ4時間かかったことになる。朝早くから昼までよく天気が持った。最後にもう一度、燧ヶ岳を見ておこう。

山の鼻からは展望のきかない道を鳩待峠まで徐々に上り詰めていくので、最後に至仏山も見ておく。今回は、6月下旬の梅雨の合間の日光・尾瀬を存分に楽しめて幸いだった。尾瀬ケ原だけでも40種ほどの植物を取り上げることができた。