半坪ビオトープの日記


ようやく山の鼻から2.2 Kmの牛首分岐まで来た。ここで東電小屋へ北に分かれて山沿いに進む道もあるが、もう少し尾瀬ケ原を真っすぐ進むことにする。

木道沿いに池塘があるとついつい燧ヶ岳や至仏山が映らないか確認してしまう。少しでも風があるとさざ波が立ってぼやけるのはいたしかたない。

またもやヒメシャクナゲの群落が間近に見えたので撮ってみた。鈴なりの花冠が微笑ましい。花の形はシャクナゲと似ていないが、小さな葉の形はシャクナゲの葉に似ている。

こちらは浅い池塘の中に生えているミツガシワ属のミツガシワ(Menyanthes trifoliate)である。日本を含む北半球の主として寒冷地の湿地や浅い水中に生える多年草で、京都の深泥池や練馬区三宝寺池など暖地の一部にも孤立的に自生している。これらは氷河期の生き残りと考えられ、天然記念物に指定されている。和名の三槲は、3枚の小葉がカシワの葉に似るからといい、三柏とも書く。白い小さな花が下からだんだん上に咲き上がっていく。

尾瀬ケ原を歩いていて今回いくつか見かけたショウジョウバカマ(Heloniopsis orientalis)は、どういうわけか白花種ばかりだった。尾瀬に限らずショウジョウバカマの花色は多様だが多くは淡赤紫色なので、時期が遅かったのかもしれない。

中田代に群生していたこのナツトウダイに似ている花は、オゼタイゲキ(Euphorbia togakusensis var. ozense)という。花のすぐ下にある苞葉が2枚のナツトウダイと違い、3枚なのがオゼタイゲキである。草丈も40〜80cmと高く、尾瀬の特産種である。尾瀬大戟のタイゲキとは中国にある同属の植物のことで、尾瀬で発見したので尾瀬大戟と呼ぶ。