半坪ビオトープの日記


江戸時代に編纂された「新編武蔵風土記稿」に「極めて絶品」と紹介されている深大寺そばだが、徳川将軍家光が鷹狩りの際立ち寄り、そばの味を推奨したという説など、その歴史には諸説あるという。当時は「献上そば」とも称され、ごく一部の上層階級のみに食されていたらしい。しかし、江戸時代後期の文化文政年間(1804~30)に江戸文化人の一人太田蜀山人が、多摩川を巡視した折、深大寺そばを食し広く世に宣伝してからは、武蔵野を散策する文化人に愛され、それが深大寺そばの名を高めたといわれている。
深大寺山門の前にはまさに「門前」というそば屋がある。

山門の西に深沙大王堂へ向かって進むと、店の前に水車が廻っている、比較的評判の良い「一休庵」というそば屋がある。

深沙大王堂から南に少し進み、さらに西に向かうと、いくつもそば屋がある。ようやく、一番評判が高くいつも混んでいてなかなか入れないという「湧水」にたどり着いた。
本日の9割湧水そばは、北海道産北早生種と会津産雄国そばの混合で、評判通りとても美味しい。それに天ぷらを足すか、湧水天もりにするか、どちらにしても大盛りにするとなおよい。

少し戻ったところ、つまり先ほど通り過ぎたところに調布市深大寺水車館がある。ここには明治時代後半から水車小屋があった。水車の直径は4mで、五つの搗き臼と挽き臼一つがあったという。豊富な湧き水を水源とする逆川ではウナギがとれ、ホタルが飛び交っていたそうだ。

水車小屋の中も見ることができるが、向かいの建物の展示コーナーでは、麦とくらしの関わりを農具、食具などの資料で考えさせている。

深大寺から南に1kmほど歩くと深大寺温泉ゆかりがある。泉質は「黒湯」で穏やかな等張性のナトリウムー塩化物温泉である。露天風呂には洞窟風呂もあり、各種の風呂や岩盤浴などもある。日帰り温泉施設として、神代植物公園深大寺の帰りに寄って楽しめた。