半坪ビオトープの日記


今月中旬に水戸とその周辺を巡った。雨天のため予定を大幅に変更して、徳川ミュージアムから見た。正式には彰考館徳川博物館といい、水戸徳川家第13代圀順が徳川家に伝わる古文書、道具類を寄贈して昭和42年に開館した。第一展示室が常設展に、第二・第三展示室は特別展に使われている。玄関前から見ると芝生の向こうに第一展示室が見える。敷地内にある彰考館文庫には「大日本史」草稿本や古文書類約3万点が納められている。

玄関より手前に高枕亭跡の碑がある。この地はかつて光圀の茶室「高枕亭」が建ち、第9代齊昭の時代には藩主の茶園もあった。

収蔵品には、水戸徳川家が400年の間守り続けた家康の遺品や御三家ならではの大名道具、光圀所用の黒地葵紋金蒔絵印籠、光圀が「大日本史」編纂のため諸国から集めた貴重な文書、書画が含まれる。企画展は「水戸徳川家の梅祭り」で、齊昭の正室、登美宮吉子様の婚礼道具、装束などが展示されていた。廊下にはこの光圀像のほか斉昭と慶喜像もある。

常設展示品では、「大日本史版木」が注目される。水戸藩では享保5年(1720)、文化7年(1810)、文政2年(1819)に、それまでに完成した「大日本史」を浄書して朝廷・幕府に献上した。その後、本紀、列伝あわせて243巻は、嘉永4年(1851)に校刻が完成して広く刊行された。その時の版木は彰考館文庫で保管されていたが、戦災で焼失してしまい、現在はわずか展示中の2枚のみ現存している。