半坪ビオトープの日記


野島崎灯台の近くに白浜海洋美術館がある。
船首飾り、万祝、捕鯨絵巻、民画、釣具など、海洋民族の生活にちなんだ資料が展示されている。

房総半島発祥の大漁半纏、万祝(まいわい)は漁師の晴れ着であり、江戸時代の船主や網元が大漁祝いの引き出物として漁師に配った祝い着で、その後、広く太平洋岸の漁村にも広がったものである。ここには万祝が30着ばかり展示されていて国内随一という。

入り口の岩の上に「杉長墳」なる石碑がある。杉長とは俳人井上杉良(1770-1828)のことで、江戸で俳諧を学び、家督の医業も継いだ。
小林一茶とも親交があり、松平定信の侍医も勤めたことがある。辞世の句は「蝶を追ふ心もちたしいつまでも」という。
59歳で桑名にて没したあと、門人らによりこの地に「杉長墳」が建立された。

「杉長墳」が据えられているこの大きい岩は、「鯨岩」という。

美術館から戻る林の中、朽ちかけた鳥居の奥に、忘れ去られたような小さな祠の「金毘羅宮」があった。