半坪ビオトープの日記

大山登山、断念


登拝門をくぐるやいなや、急な石段の本社参道が始まる。石段続きとは、先が思いやられる登山道である。

唯一の救いは、参道脇のモミジが真っ赤に紅葉していることだ。

それにしても急坂に早くも息がきれる。斜度は45度以上あるのではないか。

いつの間にか石段は断続して登山道となる。大きな石塔の脇に白山神社の案内がある。大山修験(山伏)は山中で行う修行の中で、白山神社を拝するのがその一過程であった。当社は加賀の白山神社と関係が深く、大山寺開山(752)より前に建立されたといわれる。

千本杉という杉木立ちをやり過ごしてなおも進むと、夫婦杉が聳えている。2本揃った巨木で、樹齢は500~600年といわれる。

大山口登山道は、頂上まで各丁目の道標が立てられている。この夫婦杉の辺りは八丁目であり、なおも急坂が延々と続いている。

十二丁目には簡単な休憩所があるが雨が降りそうなので休まず進む。十五丁目には天狗の鼻突き岩がある。左脇の丸い穴が、天狗が鼻を突いてしまった跡だという。

ようやく十六丁目の本坂追分に到着。標高992mである。正徳6年(1716)に初建された、総高368cmの追分の碑は、麓から強力たちが担ぎ上げたものであり、江戸期の大山信仰の深さを示している。

追分を過ぎると霧が深くなり、ついに小雨がぱらついてきた。二十丁目の富士見台の手前で雨が本降りになってきたので、大山登頂を断念し引き返し始めた。追分まで戻り、右の蓑毛に下る道を選んで西の峠に向かう。この道沿いにはカエデが多く、黄色のモミジが敷き詰められた中を下る頃には雨も止んできた。

まもなく西の峠に差し掛かる。まっすぐ進むと蓑毛に至るが、左に折れて下社に向かう。

下社の手前でも杉木立ちの中に真っ赤に燃えるモミジが見えた。