半坪ビオトープの日記

ユキノシタ(雪の下)

1坪に満たない狭いビオトープには小さな池が4つあり、普段はヤマアカガエルやヌマエビが静かに暮らしているが、今は水草のなかでオタマジャクシが騒いでいることだろう。池の周りに二本のツバキがあり、その下草にユキノシタやイヌワラビ、ヤブマオ、イノモトソウ、ヤマノイモなどが茂り、池の中からセリが立ち上がり、そのうちミゾソバが姿を現すはずだ。今年はセリとユキノシタが我が物顔にはびこり、どの池も水面がほとんど見えなくなったので、花が終わったら刈り込む予定だ。
ユキノシタの名の由来には、雪の下でも枯れずに生えているからとか諸説あるが、多分、群生して満開に咲く白い花を雪にたとえ、その下に緑の葉が見える様を指すのだろう。本州以南に自生し、民間薬としても古来よりよく使われ、みみだれぐさ、きじんそう、虎耳草、鴨足草など別名も多く、生薬名は虎耳草で耳の病気に効くことが知られている。葉の汁を耳孔に垂らして中耳炎を治し、火であぶった葉をできものに貼り、乾燥葉を煎じて飲んでむくみを取り、煎じた汁を塗って痔の痛みを治す。食用としても多用され、塩漬けした花は花茶にしたり椀だねとする。生の葉はてんぷらに、ゆでた茎や葉は和え物にもする。多少苦味があるし、薬効もあるので、食べ過ぎないように注意されたい。