半坪ビオトープの日記

ヤブマオの花

池の手前側を覆っているヤブマオ(藪苧麻)の目立たぬ花が咲いた。何度も刈り込んだせいか、ヤブマオにしては花穂が小さい。イラクサ科のカラムシ属で葉は似たものが多い。以前はエゴマと勘違いしていたのでここで訂正する。花が咲いて花穂を見てようやく同定できた。ヤブマオのマオとは、最古の織物用栽培植物であるカラムシ(苧麻)の古名であり、方言名には、真麻(マオ)や牟斯(ムシ)がある。カラムシという名の由来には、�茎を蒸したから茎蒸(カラムシ)、�あるいは幹蒸(カラムシ)、�古代朝鮮由来で韓牟斯(カラムシ)などの説がある。先日、山手線の線路際の藪で、このヤブマオの葉に6cmほどの大きな幼虫を見つけた。それはヤガ科のフクラスズメ(脹雀蛾、福来雀)の終齢幼虫であった。頭と足が橙赤色で、長い胴には黒地に黄色の条と赤い紋があり、背には黄色の縞模様がある。頭をもたげ激しく震わせて威嚇する習性が知られている。成虫は褐色のマントを被ったような目立たぬ蛾であるがなぜか幼虫はとても目立っている。
ビオトープのヤブマオの葉になにやら黒い染みがあり、よく見ると先日ジョロウグモが襲われた証拠だった。黒い染みからクモの糸が両方向へ伸びていて、アシナガバチが肉団子を作ったときにできる残りカスだから。