半坪ビオトープの日記

秋芳洞


秋吉台の後は、秋吉台の地下100−200mにある日本最大規模の鍾乳洞・秋芳洞(あきよしどう)を見学する。洞奥の琴ヶ淵より洞口まで、観光コース約1kmにわたって地下川が流れ下っている。洞入口から黒谷入口までの高低差は約40m、総延長は8,500mを超え、現在日本第3位にランクされ、国の特別天然記念物に指定されている。洞口に滝があるために、昔は「滝穴」と呼ばれていた。

洞内に入ると地下川が轟々と音を立てて流れ、洞窟の大きさにも驚かされる。この辺りの幅約15m、長さ100mの直線的な地下川は、長淵と呼ばれる。上方約10mに数万年前の川の跡を示す岩棚がある。地下水面型の横穴の誕生時期には、約110万年前と、10数万年前の二つの説がある。

オレンジ色に見える部分は50年以上前の水位の跡である。昭和26年(1951)に現在の通路が造られたが、かつては小舟で鍾乳洞見学が行われていたという。

次に洞内一の見どころといわれる「百枚皿」が現れる。水に溶けた石灰成分が蓄積した畔石池からなる石灰華段丘で、昔は縮皿と呼んだ。皿は大小合わせて500枚を超え、世界的にも稀に見るスケールである。

その先ドーム型になった広々とした空間・広庭の奥に、高さ約5mの洞内富士や南瓜岩、大松茸などの石柱・石筍がある。数万年という歳月をかけて盛り上がった巨大な洞内富士の下部は、フローストーンで裾広がりとなり富士山のようなスロープを作っている。

こちらの風変わりな形の鍾乳石は、苞柿(すぼがき)という。干し柿を藁苞に包んだ形に見えるから名付けられた。

段々畑に水を張った棚田のような景観は、千町田と呼ぶ。百枚皿と同じ石灰華段丘だが、こちらの方が1枚あたりの面積が大きい。皿の中に住む生き物が見られる。2cm成長するのに250年はかかるといわれる鍾乳石が、天井からつららのように無数に垂れ下がる光景は、傘屋の天井に似ているとして、傘づくしと呼ばれる。

こちらは空滝と呼ばれている。水は流れていないが滝のように見える。

いよいよ秋芳洞のシンボル的存在の黄金柱(こがねばしら)が現れる。高さ15m、直径4mの巨大な石柱状フローストーンで、昔は金の釣柱と呼んでいたという。

高さ8mのゴツゴツした石筍は、風雪に耐えた人物を彷彿させるとして、巌窟王の名が冠せられている。

そろそろ最後になるが、洞奥の気温と湿度は年間を通じて16℃、95%である。黒谷支洞にあるこちらの石筍は、マリア観音と名付けられている。ここで戻ることもできるが、トンネルを抜け黒谷口へ出てタクシーで入り口まで戻った。
こうして津和野、萩、秋吉台などを巡った2泊の旅は終わった。予想外に面白かったのは、山口市と青海島であった。