半坪ビオトープの日記

龍河洞、神の壺


そろそろ龍河洞の中間点になり、鍾乳石が何本も垂れ下がる「クラゲ石」がユニークな姿を見せている。

ここは「流礫棚」という。岩の下を地下水が通り、下が侵食されて棚状になっている。

この大きな鍾乳石は「裏見の滝」という。高さ6m、幅2mあり、裏側からも見ることができるのでこの名がついたという。

こちらは「玉簾の滝」と呼ばれる。小さな玉を綴り合わせた簾のような鍾乳石で、高さが6m、幅は4mある。

この風変わりな石筍は、「鬼面石」という。

「月宮殿」という場所に、数珠が連なるような「シャンデリア」と呼ばれる石筍がたくさん垂れ下がっている。

「見返り坂」には「通天門」がある。ここまでは月の世界、通天門に続く急な長い階段を上ると星の世界に入る。

階段を登りきると「連星殿」という鍾乳石の宝庫があり、上を見上げると左に「マリア」、右に「お釈迦様」という鍾乳石が見える。

連星殿に続いて「万象殿」が現れる。森羅万象の名の通り、いろいろな形の鍾乳石が無数に集まっている。その先には「コウモリの間」「奈落」「最荘殿」が続いている。

鍾乳石は様々な形を見せるが、このカーテンの襞のような鍾乳石を作り出す自然のワザには驚かされる。

この石筍のかたまりには「七福神」という名が付けられている。

洞内には約2000年前に古代人が住んでいた穴居の跡があり、多数の遺物がある。穴居跡の最奥の水汲み場と呼ばれる場所に、「神の壺」と呼ばれる長首つぼ型土器がある。石灰華に覆われた弥生式土器で、世界唯一といわれる。

穴居第2室には、高さ6m、周囲14mの襞状鍾乳石「千枚岩」があり、その下には昭和12年(1937)に実験開始した「神の壺2」が置かれている。

穴居跡は三つの部屋に分かれていて、洞出口に近い第1室には、明かりと暖をとるために火を焚いた跡があり、そこには約20cmの厚さの灰が積もっている。大小様々な土器や、石を並べて作った炉もあり、石灰岩の窪みからは鳥獣の骨や貝殻も多量に見つかっている。8月の平均温度17℃、12月で平均12℃位なので、古代人としても洞内に暮らすのは理に適っていたといえよう。