半坪ビオトープの日記

酸ヶ湯


小坂ICから黒石ICを経て八甲田山麓の酸ヶ湯に向かう。青森市十和田湖間を結ぶ八甲田・十和田ゴールドラインに合流する直前に、城ヶ倉大橋が架かっている。全長360mあり、上路式アーチ橋としては日本一の長さを誇る。橋の上から谷底までは高さ122mで、下を見ると吸い込まれそうである。

八甲田の主峰・大岳の西麓に位置し、標高900mの高地にある酸ヶ湯温泉は、江戸時代前期の貞享元年(1684)の開湯と伝承され、非常な山奥にもかかわらず古くから湯治場として栄えていた。横内(現青森市内)に住む狩人・長内左ヱ門四郎が鹿を仕留め損ない、その鹿を追って山に入り、3日後に発見したが、逃げ去った付近で温泉を見つけたという。そのため元は「鹿の湯」と名付けられたそうだ。「すかゆ」は読みの「しかゆ」が変化したものという。

八甲田山中の一軒宿で、登山帰りに立ち寄る登山客も多いが、豊富な湯量と各種効能から温泉目的の宿泊客がシーズン期には多数訪れ、宿の規模が大きくても中々部屋が取れず、湯治用宿泊棟にようやく予約できた。つい最近、20cmを越える今冬一番の積雪があったように、豪雪地帯としてよく知られている。

酸ヶ湯の名物は「千人風呂」で、脱衣所は男女別だが中は混浴となっている。泉質は酸性硫黄泉で、その名の通り強い酸性を示す。

酸ヶ湯の風呂は全て撮影禁止なので、パンフの切り抜きを載せる。千人風呂は、160畳ほどの柱のない体育館のような、総ヒバ造りの巨大な建物で、泉源が異なる「熱の湯」「四分六の湯」と大きな浴槽が二つあり、打たせ湯(湯滝)もある。手前の熱の湯は源泉そのままの湯だがややぬるめで、四分六の湯は源泉に水を混ぜているが元の源泉が高温なので熱の湯より高温である。混浴の千人風呂は余りにも有名になりすぎて、混浴マナーの低下が問題となり、「混浴を守る会」が発足して混浴マナー維持活動が行われたり、女性専用時間帯が設けられるようにもなった。

洗い場のない千人風呂のほかにも、こじんまりとした男女別の内風呂「玉の湯」があり、洗い場もあってゆったりすることができる。

湯治棟は宿泊費がかなり割安で、自炊もできるが2食付もある。だが、その食事もかなり質素であった。

美味しい地酒のつまみにと、地鶏串焼きと津軽名物の貝焼き味噌をついつい追加して、温泉気分を精一杯盛り上げた。

次の日、八甲田山登山後の昼食は、酸ヶ湯の食事処・鬼面庵で「けの汁そば」を食べた。青森県津軽の郷土料理である「けの汁」に蕎麦が入ったもので、フキ・ゴボウ・ゼンマイなど野菜たっぷりで美味しかった。