半坪ビオトープの日記

湯西川温泉・平の高房


塩原から会津東街道を西に進み、上三依から南下し、五十里湖から再び西へと渓谷を進むと、平家の落人伝説が残る湯西川温泉に着く。温泉街を抜けなおも奥へ進むと右手に大きな門構えの平の高房という宿がある。

平家砦の館と銘打つこの宿は、湯西川に逃げのびた平家一門の守護神である、高房神社に祀られた高房大明神にあやかって山砦風の居館を造っている。源平の戦いに敗れた平家一門の平重盛の妹・妙雲禅尼は平貞能と共に塩原に逃れ、平忠房の忘れ形見を擁した数名の家臣団は川治の里に逃げた。ところが川治の一族が揚げた五月の節句の幟が平家追討使の目に止まったため、さらに山奥深くの湯西川まで落ちのびたという。以来、湯西川では鯉のぼりを揚げず、鬨を告げる鶏は飼わないという風習が残っている。

地名の由来となった温泉は、今から800年前に平家の落人が発見したとも、400年前の天正元年(1573)に発見とも伝わっていて、どちらが本当か分からない。玄関前に藤の花房という露天風呂がある。

大きな露天風呂からは、周りの景色も眺められてゆったりできる。泉質はアルカリ性単純温泉で無色透明、無味無臭で肌にも優しいとされる。

琵琶の音色という内湯からも、小さな露天風呂が眺められる。

その小さな露天風呂は、朧月夜と名付けられている。

金精の湯、子宝の湯という貸切露天風呂も、岩に囲まれていて景色も楽しめる。

湯西川名物といわれる囲炉裏焼き料理も、鶏肉や岩魚の焼き串、竹筒の澗酒など趣向が凝らされていて美味しい。