半坪ビオトープの日記

水芭蕉の森、越本武尊神社


尾瀬方面と日光方面との分岐点にある鎌田の温泉に泊まった翌朝、鎌田の北5kmほどの越本地区にある水芭蕉の森を訪ねた。前日の花咲集落より山深くなったせいか、4月中旬でもかなり雪が残っていた。

林の中を雪を踏みしめ進んでいくとやや開けた所に出る。雪が解けたばかりの所に水芭蕉が顔をのぞかせている。

木道が敷き詰められた辺りにもまだ雪が残っている。

いかにも冷たそうな雪解け水が集まって流れ落ちてくる水際にも、水芭蕉が元気よく咲き始めている。

こちらでは枯れ葉の間からフキノトウが顔をのぞかせている。

鎌田に戻る手前の右手(西)、道路に面して小さな武尊神社があるのに気付いた。片品村には利根郡に数ある武尊神社の総鎮守である花咲武尊神社のほかにもいくつか武尊神社があるが、これは越本の総鎮守の武尊神社である。「猿追い祭り」で有名な花咲武尊神社から寛政年間(1789~1801)に勧請した。
越本の武尊神社では、11月初旬に「にぎりっくら」という祭事が行われる。昔は、越本5地区の「ふかし番」が持ち寄った赤飯の入ったお櫃を、参拝者が奪い合って赤飯を握ったそうだが、今は農協が用意した赤飯を区長の合図とともに一斉に握る。10分ほどで終わってしまうお祭りだが、こぼれた赤飯が多いほど豊作という。

近づいて覆屋の中を覗いてみると、本殿らしき社殿が安置されている。小さいながらも虹梁上の龍や向拝兎の毛通しの鳳凰、木鼻の瑞獣の彫刻などかなり精巧に作られている。川場湯原の武尊神社と同じく、勾欄を四面に回すお堂造りである。

左隣には、さらに小さな粗末な社殿が小さな覆屋の中に置かれている。間に「武尊神社と諏訪神社」との標識が立っているので、これが諏訪神社であることが分かる。

さらに左手には武尊神社と同じような覆屋が建っていて、朱色の鳥居には「御前宮」という扁額が掲げられている。

こちらも中を覗いてみると、向拝こそないが、川場湯原の武尊神社と同じような、勾欄を四面に回すお堂造りの本殿が安置されている。