半坪ビオトープの日記

あぶくま洞


郡山から20数km東、阿武隈山系の最高峰大滝根山(1192m)の東麓にあぶくま洞がある。昭和44年(1969)石灰岩の採石中に発見され、4年後には洞内が整備されて公開された。

この一帯には南北約4km、東西約1kmにわたり滝根層という石灰岩層がある。約3億年前の石炭紀からペルム紀に有孔虫などの生物の遺骸が海底に堆積して形成された。あぶくま洞を胚胎する石灰岩が結晶質の石灰岩へ変成したのは約8,000万年前の白亜紀後期と推定されている。

鍾乳洞の総延長は約3,300mであり、一般見学ルートが600m、探検コースが120mあって、合計720mが公開されている。これは「妖怪の塔」と名付けられている。

石筍や石柱をはじめ、リムストーン、鐘乳管など、種類と数の多さでは東洋一ともいわれる鍾乳石が続き、様々な色のライティングで幻想的な世界を演出している。大きく流れ落ちる滝のようなこの鍾乳石は、「白磁の滝」という。

やや細めになっている途中の探検コースを抜けると、「せせらぎの間」がある。

こちらの鍾乳石は、「月華の滝」という。

これは、「白銀の滝」と名付けられている。

公開部分最上層にある高さ29mのあぶくま洞最大のホールは「滝根御殿」といい、様々な形の鍾乳石が観察できる。

この巨大な石筍は、側面が小さなつらら石や石筍で飾られ、「クリスマスツリー」という。

あぶくま洞の最後を飾るのが、主な鍾乳石をすべて観察できる「月の世界」である。暗闇から朝日が昇り、夕日となって沈むまでを調光システムで演出している。日本の鍾乳洞で初めて舞台演出用の調光システムを導入したと自慢しているが、あまり意味がないと思われる。緑や青の照明も不自然で、自然のままの姿を見たいものには有り難迷惑である。
このあぶくま鍾乳洞で、10月中旬に出かけた喜多方から二本松、郡山の史跡巡りを終えた。