半坪ビオトープの日記

旭岳ロープウェイ


湧駒荘から旭岳ロープウェイの山麓駅まで1km強あり、雲一つない晴天の中を進むと、大雪山の主峰、旭岳(2,291m)の勇姿が見えてくる。

旭岳ロープウェイは、標高1,100mの山麓駅から標高1,600mの姿見駅まで約10分で上る。
大雪山は北海道のほぼ中央に位置し、旭岳を最高峰に、50kmにわたって連なる2,000m級の山々の総称であるが、総面積は23万ヘクタールあり、これだけの広がりをもつ山地は日本ではほかに例がない。

ロープウェイが動き出すと間もなく、表大雪のほぼ中央に位置する、化雲岳(1,954m)の大きな山容と数多い雪渓が見えてきた。右手には十勝岳連峰へと山並みが続いている。

旭岳ロープウェイは、国内で唯一森林限界を超えて高山帯まで運行していて、車窓から森林限界の境界を見ることができる。ワクワクしてあちこち眺めているうちに早くも姿見駅にやってきた。そこに着くとすでに旭岳の5合目となる。

大雪山の東麓の層雲峡温泉からは黒岳ロープウェイとリフトがあり、黒岳から旭岳間の縦走コースは大雪山中では最も登山者が多く、大雪銀座といわれている。登山はしなくてもここまでロープウェイで上がれば、姿見の池まで周遊する散策路があるので観光客でにぎわっている。駅のすぐ前にもいくつか池がある。

まだ雪の残っている池もあるが、これらの池はすべて噴火口で、火山活動時には真っ赤なマグマが流れ出した場所である。活動が収まったあとの火口に雨や雪で水が溜まり、現在のような池になったのである。

姿見の池まで廻る散策路は一周1時間ほどで、時計回りに第一展望台から第五展望台まであるが、あとで旭岳の北(左)にある裾合平方面に足をのばす都合があるので、反時計回りで第五展望台を目指す。旭岳の右裾に石室が見えるが、そこから先が旭岳登山道となる。

散策路を進むと道の両側に小さな白い花が咲き乱れている。チングルマ(Sieversia pentapetala)のお花畑である。単独で群落をつくることも多く、雪が解けたあと乾きやすいようなこうした砂礫地などを白一色に埋め尽くす。