半坪ビオトープの日記

旭岳温泉


大雪山の主峰である旭岳の西麓にある旭岳温泉は、大雪山の表玄関の温泉としてまた登山の拠点として知られている。旭川市内より約50kmと近くロープウェイで高山植物の咲く高原まで簡単に上れるので人気がある。
この地は、湧駒別(ゆこまんべつ)と呼ばれ、アイヌ語で「湯に向う川」というように、古くから温泉の湧出が知られていたという。昭和57年(1982)に湧駒別温泉から旭岳温泉に改名されている。
岳温泉で最も古い歴史を持つ「湧駒荘(ゆこまんそう)」は、今では10軒ほどある湯宿の中で下手の方に位置するが、源泉掛け流しの大きな湯宿である。

5つの源泉と11の浴槽からなる温泉は、大正13年に発見され、開設以来毎分300ℓ以上の湯を湧出している。
木材をふんだんに使った「神々の湯」の浴室は、推定500年前の大噴火の際にできた大雪山の鉄平石を敷き詰めた床と、大きな窓や吹き抜け天井で開放感あふれる造りとなっている。

二つある内湯のすぐ外に屋根付の露天風呂がある。泉質は、含土類・食塩の石膏泉である。

「ユコマンの湯」は、旭岳温泉(旧湧駒別温泉)元祖の湯である。裏山の岩が自然の状態で浴室に組み込まれ、浴槽周りに鉄平石を使って造られている。内湯は5つあり、元湯は42.4℃で、炭酸水素塩泉や目薬の湯もある。これは寝風呂である。泉質は、硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉(旧泉質名では芒硝泉と正苦味泉)と、含土類・食塩の石膏泉がある。

外に渡り廊下でいく屋根付の露天風呂もある。 

薬湯として親しまれている「シコロの湯」の浴槽は、殺菌力に優れたシコロ(学名キハダ)の木で造られている。これは41.1℃の元湯である。泉質は、ユコマンの湯と同じである。

左に見えるのが目薬の湯で、右奥が寝風呂である。外に露天風呂(屋根付、屋根なし)もある。お風呂の種類が多く、泉質・泉温も変化に富んでいるので、温泉を心ゆくまで楽しむことができる。

館内の施設には木材がふんだんに使われ、ロビーの一角にはヒグマやエゾシカの剥製があったり、廊下の壁にはアイヌの民芸品と思われるタペストリーが掛けられていたり、寛げる雰囲気造りが随所に施されている。