半坪ビオトープの日記


日光から尾瀬に向かい、日光白根山(2578m)の北にある金精トンネルを抜けると丸沼高原に出る。そこに日光白根山ロープウェイがあり、標高2000mまで上がれる。
上がるにつれ、丸沼が見え出し、それを取り巻く左の四郎岳(2156m)と燕巣山(2222m)もよく見えてくる。レンゲツツジも咲いている下を見下ろすと、スキーのゲレンデの上を上がっていくのが分かる。

ロープウェイの山頂駅の前は広々としていて、ロックガーデンや「天空の足湯」があり、目の前に聳える白根山を眺めながら、丸沼高原をゆったりと満喫できる。

もちろん日光白根山の登山口も兼ねているが、山頂まで行かなくても1周45分の自然散策路や2時間の史跡散策路もある。短い自然散策コースに出かけると、すぐに二荒山神社の鳥居があった。二荒山のいわれには諸説あるが、男体山白根山の二つの山が噴火により荒れていたので二荒山と呼ばれた説が、この場所に当てはまる。ロープウェイの開設の後にここに勧請されたらしい。

ロックガーデンにもたくさん咲いていたが、二荒山神社周辺にもシラネアオイ(Glaucidium palmatum)の群落があった。本州中部以北の山地帯や北海道の山野に自生する多年草で、直径7cmほどの淡赤紫色の可憐な花を咲かせる。特に日光白根山に多く咲いている、1属1種の日本特産種である。花びらに見えるのは実は萼片であり、花弁はない。

自然散策路はほとんど針葉樹林帯の中を歩くだけで、展望もほとんどなく森林浴を楽しむだけである。それでもいくつか小さな花を見つけた。この白い可憐な花は、コミヤマカタバミ(Oxalis acetosella)という。深山の針葉樹林内に生える多年草で、日本をはじめ北半球に広く分布する。春に咲くミヤマカタバミより花が小さく、6〜8月に咲く。

途中で唯一展望が少しあった展望台には、小さなコイワカガミ(Schizocodon soldanelloides f. alpinus)が咲いていた。北海道と本州の亜高山帯から高山帯に自生する常緑の多年草で、母種のイワカガミより小さい。常緑の葉は照り輝き、岩鏡の語源となっている。