半坪ビオトープの日記


隅田公園の水戸徳川邸跡の庭園の東に牛嶋神社がある。
古くは長命寺の近くにあり、牛御前社と称していたが、関東大震災後の隅田公園の設計の都合上廃社となり、昭和初期に現在地に再建された。明治初年の神仏分離後、牛嶋神社と改められた。

牛嶋神社の拝殿前には、全国的に珍しい三輪鳥居がある。三輪鳥居とは、よく見かける明神鳥居の左右に袖鳥居を付けたもので、明神鳥居を三つ組み合わせた形から三つ鳥居とも呼ばれる。奈良県大神(おおみわ)神社の鳥居が有名で標準とされるが、拝殿中央奥にあって見ることができないといわれる。同じ桜井市三輪にある檜原神社にも三輪鳥居がある。

牛嶋神社の祭神は、須佐之男命、天之穂日命(あめのほひのみこと)、貞辰(さだとき)親王命である。
神社に伝わる縁起書によると、貞観2年(860)慈覚大師が神託により須佐之男命を郷土守護神として勧請して創祀し、のち天之穂日命を併祀し、次いで清和天皇の第七王子貞辰親王がこの地でなくなったので併せて祀り「王子権現」と称したという。その後も源頼朝徳川家光などの崇敬が厚かった。
牛嶋神社の拝殿は、関東大震災後の再建で、東京大空襲でも類焼を免れ、総檜権現造りで東都屈指の大社殿を誇っている。

境内には狛犬が四対あり、その一つは江戸時代作、獅子山付きの獅子児鍛錬図で堂々たるものであった。

南面している牛嶋神社の拝殿前の鳥居の外、東西にも鳥居がある。こちらは見番通りに通じる東向きの鳥居である。