半坪ビオトープの日記


先月中旬に静岡県藤枝市から寸又峡を訪ねた。藤枝市のほぼ中央に位置する蓮華寺池公園は、春に桜や藤の花見でにぎわい、夏には蓮の花が池に浮かぶ。日本庭園や水遊び場、アスレチック広場や野外音楽堂などがあり、市民の憩いの場となっている。元は慶長18年(1613)頃に農業用水の溜め池として掘られた。園内の丘陵には、4世紀末から6世紀にかけてつくられた、28基にもおよぶ若王子古墳群がある。

公園の近くに浄土真宗の熊谷山蓮生寺がある。この山号・寺号は、この寺を開いた、寿永3年(1184)の一の谷の合戦で有名な熊谷次郎直実(法名蓮生)に由来する。直実が浄土宗の開祖・法然に弟子入りして蓮生を名乗ったことにちなむ。当初浄土宗の寺院だったが、貞永2年(1233)に親鸞聖人が立ち寄った際に浄土真宗に改宗したと伝えられる。本堂は大正2年に再建されたものである。

参道入口の右に「親鸞聖人旧跡」、左に「熊谷入道古跡」の古い標石が立っている。江戸時代には田中藩主本多家の菩提寺として保護され、山門は文化8年(1811)に本多正意が改築・寄進したものである。

なお、蓮生寺には市指定の天然記念物のイブキがある。ビャクシンともいわれ、幹がねじれる性質がある。山門右手前のこの木かと思ったが、本堂右手裏にあるという。根回り1.65m、樹高6.8m、枝張半径7mあるそうだ。墓地には、本多家の墓17基のほか、童謡「月の砂漠」の作詞者、加藤まさをの墓もある。