半坪ビオトープの日記


五所川原から浪岡ICで東北自動車道を経由して「こけしの里」と呼ばれる黒石温泉郷に行く。
黒石市から南東に十和田湖に向かい、東へ八甲田へ行く道が分かれるあたりが黒石温泉郷で、温湯・落合・板留温泉がある。
落合温泉の向かいに紅葉の名所として有名な中野もみじ山があり、その手前には中野神社がある。
一の明神鳥居と社号標は堂々としている。当日は例大祭だったが、夕方なので人の気配はなかった。

二の両部鳥居も笠木が屋根状になって豪壮である。図太い注連縄が掛けられて、真ん中は米俵となり、そこにかわいい酒樽が二つ乗っている。

三の鳥居の前には御神燈が2対建っている。手前のものはとても大きくて立派である。

三の鳥居の柱には、弘化4年(1847)の銘が刻まれていた。

境内を貫く中野川には不動橋がかかり、橋のたもとには大町桂月の歌碑も建っている。橋から右を見ると不動滝が見える。橋の向こうの神門の左右には、大きなモミの木がすっくと聳えている。「対植えのモミ」といって、随神に代わって神門を守るために植えられたまま、200年以上も整然と樹勢が保たれているとのことで、県の天然記念物になっている。ほかにも、享和2年(1802)京都からカエデの苗木百種百本を奉納した9代藩主津軽寧親が、翌年ここに移植した3本の「お手植えのモミジ」や、樹齢500年以上といわれる大杉3本も、県の天然記念物になっている。

明治から大正にかけての紀行作家、大町桂月は、大正11年11月に中野神社で「ひとしほの木の葉は散りて散り残る楓の山の美しきかな」という歌を詠んだ。ちなみに、大町桂月は十和田の蔦温泉をこよなく愛し、晩年まで暮らし続けたので蔦温泉に墓がある。