半坪ビオトープの日記


中禅寺湖の北岸、男体山山麓景勝地二荒山神社中宮祠がある。日光を代表する湖である中禅寺湖は、水面の海抜高度1269mを誇る。発見されたのは天応2年(782)日光開山の祖・勝道上人が男体山の登頂に成功した時、山の上から湖を見つけたという。

中禅寺温泉から東表参道にある二の鳥居をくぐると、二荒山神社中宮祠の手前に、牛石が横たわっている。昔、馬返しより先は牛馬禁制の結界であり、この禁を破った牛が石にされたという。
明治時代以降存在が不明になっていたのを、平成21年に復元したという。ほかに女人禁制を破って石にされた巫女石が、赤い大鳥居の近くにあるという。

延暦3年(784)男体山頂では参拝が困難なことから、ここ麓に二荒権現を祀る社殿を建てた。以後、山頂にある奥宮の遥拝所として発展し、日光山内にある本社との中間にあるので中宮祠と呼ばれている。
境内から中禅寺湖側に神門がある。見下ろすと浜鳥居があり、湖畔から石段の参道を上がったところに神門があることになる。神門から唐門が見える。

中禅寺湖に向かって建つ唐門の右手前には手水舎がある。唐門の左右には透塀が付いていて社殿を囲っている。後ろに男体山が聳えている。天気がよければ山頂まで見えるはずであるが、残念ながら曇っていて一部しか見えない。

唐門の先には拝殿が見える。右に見える入口は、男体山へ登る登山口に通じている。

元禄14年(1701)造営の拝殿は、本殿と同じく総弁柄塗りで、入母屋、反り屋根造りである。祭神は、二荒山神社本宮と同じく、二荒山大神大己貴命田心姫命味耜高彦根命)である。唐門から拝殿まで、珍しいことに雨除けの屋根がかけられている。

拝殿の左手には山霊宮(やまのみや)があり、その裏手に栃木県の天然記念物で、推定樹齢1100年というイチイの神木がある。イチイは一位と書いて最高を表し、神職の持つ笏の材料にも使われる縁起の良い木でもある。山霊宮は、霊峰男体山を中心に日光連山八峰に篤い信仰を捧げた、徳行のあった人々の御霊を祀っているという。