半坪ビオトープの日記


青木村には温泉マニアによく知られた田沢温泉がある。開湯が飛鳥時代末期の役の行者ともいわれる古い温泉で、子宝の湯としても有名である。
共同浴場の有乳湯(うちゆ)の魅力は、入った直後に身体中につく細かな気泡であり、拭ってもまたすぐに気泡に包まれる。ぬるめの湯は源泉かけ流しで、入浴後、肌はつるつる身体はぽかぽかする。

十観山の山間を流れる湯川にはホタルの里があり、格子戸のある宿、重厚な門構え、白壁の土蔵、情緒あふれる石畳など、田沢温泉には昔ながらの雰囲気が残っている。
若き島崎藤村が滞在し、「千曲川のスケッチ」で紹介している。

十観山(1284m)には信州昆虫資料館があり、パラグライダーも楽しめる。

平安時代国司の滋野親王が眼を患い入湯したところ治ったので、薬師堂を建てて温泉の守護神として崇めた時から開湯されたと伝わるのが、この沓掛温泉である。夫神岳の麓にある。
裏山の山容が京都の小倉山に似ることから「小倉の湯」と呼ばれ、昔は湯治場としてにぎわっていたという。田山花袋が特に愛したことが知られている。

沓掛温泉と別所温泉の間に聳える夫神岳(1250m)は、昔から雨乞いの山として知られる。

独特な山容の子檀嶺(こまゆみ)岳(1223m)は、別名、冠者岳と呼ばれた山岳信仰の山で、この一帯に展開していた信濃十六牧の一つ塩原牧の守護神であった。
十観山、夫神岳、子檀嶺岳をあわせて青木三山という。