半坪ビオトープの日記


塩田平の北には松本街道が青木村を通っている。その青木村に大法寺という天台宗の古寺がある。寺の言い伝えでは、昔は大宝寺と呼ばれ、大宝年間(701-704)に藤原鎌足の子の定恵によって造られたという。
確かな証拠はないそうだが、京都から延びる東山道が寺の前を通り、本尊の十一面観音や普賢菩薩平安時代の作であることが分かっている。本堂脇の大榧の木は、1512年の再建記念樹で、樹齢約500年になる。

大法寺三重塔は1333年の建立で、信州最古の三重塔として国宝に指定されている。初重が特に大きく、奈良興福寺の三重塔とともに珍しい様式とされる。

檜皮葺(ひわだぶき)の屋根の上品な反りが美しく、東山道を往く旅人が何度も振り返って名残惜しんだことから「見返りの塔」と呼ばれ親しまれている。

本堂には木造普賢菩薩立像が置かれ、この観音堂厨子の中には木造十一面観音立像が安置されている。

厨子の下の須弥壇ともども重文に指定されている。