半坪ビオトープの日記


平安時代弘法大師創建と伝えられるこの大寺は、真言宗の前山寺という。かつては「信州四談林」の中に数えられた経学の殿堂であり、塩田城の鬼門に位置して、その祈願寺であった。
前山寺の裏山は弘法山といい。前山寺の奥の院となっている。ここに弘法大師が独鈷(坊さんが仏前で使う道具)を埋めたので前山寺の山号は独鈷山(独股山)という。

前山寺には「未完成の完成塔」と呼ばれる、名高い三重塔(重文)がある。どこが未完成かというと、二階、三階に窓も手摺もないからだが、かえって簡素な美しさが好まれている。

三重塔の脇には、円錐花序に黄色い小花が咲き乱れるムクロジ科の「モクゲンジ」が植えられている。

モクゲンジ(Koelreuteria paniculata) は、近畿以西の日本海側、朝鮮半島、中国に分布し、寺院によく植えられる。別名は、センダンバノボダイジュという。

茅葺の本堂脇で、満開のヤマユリの花を愛でながら、名物のクルミおはぎを味わうのも好評である。