半坪ビオトープの日記


別所温泉の中心には大きな北向観音堂がある。本尊は千手観音菩薩で、昔から広く県内外の信者に厄除けの観音様として親しまれている。
「北向」の名は、長野の善光寺の南向きと向き合っていることから名付けられ、善光寺とご利益は一体とされるので、一つを欠けば「片詣り」でよくないといわれる。
既に廃絶された長楽寺の山号が「北向山」と古文書に記されているので、この地に長楽寺があって北向観音堂を護っていたと考えられている。

観音堂の西方崖の上に建てられている薬師堂は「医王尊瑠璃殿」と呼ばれ、温泉で病気が治るという温泉薬師信仰がある。

境内には高さ22mの大木のカツラの雄木があり、同じく境内にある愛染堂にちなみ「愛染桂」といって縁結びの霊木として親しまれている。

川口松太郎の名作「愛染桂」はこの木からヒントを得たという説がある。

北向観音の近くに足湯「ななくり」が造られ、散策する観光客に好評である。