半坪ビオトープの日記


先日、近くの山野草愛好家のお宅を訪れ花を見せてもらった。あいにく多くの花が花期を過ぎていたのが残念であったが、珍しい花をいくつか紹介させていただく。
この花はウマノスズクサカンアオイ属のオナガカンアオイ(Asarum minamitanianum) という。アサルムという属名は、ヨーロッパ産の種の古名にもとづき、ギリシア語の a(無)と saron(小枝)からきたといわれている。
カンアオイ(寒葵)属の花は日本に70種ほど知られ、古くから栽培されたものも多く、中でもフタバアオイ(A. caulescens) は徳川家の家紋で有名である。
オナガカンアオイは宮崎県にだけ分布する日本固有種で、1970年代に発見されたが山野草ブームで乱獲され、絶滅危惧種(1A類)となっている。3個の萼片が長く尾状に伸び、長さが7〜15cmになるのが特徴である。
カンアオイの仲間は、アリに種子散布を頼っているため分布拡散速度がきわめて遅く、地方ごとに隔絶されて独特の形態を発達させたものが多く、このオナガカンアオイはその最たるものといえよう。

こちらは中国中部原産のパンダカンアオイ(A. maximum) という。あいにく花は終わっていて見られなかったが、3個の萼片の周辺が黒紫色、内側は白色で、花のイメージがパンダを連想させて人気を集めた。