半坪ビオトープの日記


アヤメ科アヤメ属のノハナショウブ(野花菖蒲、Iris ensata var. spontanea) は、日本全国および北東アジアの草原や湿原に自生している。ハナショウブはノハナショウブから改良された日本独自の園芸植物で、江戸時代末期には流行を迎えたがいつごろから栽培されたかはっきりした記録はない。
万葉集の時代からよく詠まれている、カキツバタ(杜若、I. laevigata) とよく似ているが、花被片の基部の色で区別する。ノハナショウブでは黄色であり、カキツバタでは白色あるいは淡黄色である。花期も前者が6〜7月、後者は5〜6月で、カキツバタの方が早く咲く。

白い放射状の小花が集まるこの花は、キンポウゲ科カラマツソウ属のカラマツソウ(Thalictrum aquilegifolium var. intermedium) という。和名は唐松草で、花の姿がカラマツの葉を思わせることにちなむ。
放射状に集まるのは雄しべの花糸である。日本全国の高原などに自生する、高さ50〜100cmの多年草である。止まっている虫は、オオハナアブである。

薄紫色の細長い穂状花序で筒型の小花を密に咲かせているのは、ゴマノハグサ科クガイソウ属のクガイソウ(九蓋草、Veronicastrum sibiricum ssp.japonicum) という。数枚の葉が輪生し、数段層をなすので九階草が九蓋草になったといわれる。
筒型の小花の先は浅く4裂し、2本の雄しべが突き出ている。蜜を吸いに来ているのはセセリチョウ