半坪ビオトープの日記


6月を代表する花といえばアジサイだが、ユリの花もいろいろと咲き始める。6月上旬に咲き始めるのは、このテッポウユリ(Lilium longiflorum) だろう。属名は、古くから宗教画にも登場するマドンナ・リリー(ニワシロユリ、L.candidum) のギリシア名 leirion と同じ意味のラテン古名 lilium(白い花)に由来する。

テッポウユリは、花形が昔のラッパ型銃に似るユリで、奄美、沖縄に自生し、四国、九州の一部にも野生化している。
明治中頃より輸出球根栽培が盛んで、かつてのマドンナ・リリーに代わって多用され、今でも1千万球近く輸出される。
冠婚葬祭になくてはならぬ花として、一年を通じて栽培されるが、開花期は6月で、長さ20cm近い純白の花を横向きに咲かせる。

多くの園芸品種があり、台湾に自生するタカサゴユリ(L. formosanum) との交雑種である、新テッポウユリ(L. ×formolongi) の園芸品種もあって、出回っている花の品種名の特定は難しい。
テッポウユリは、タカサゴユリに似た細い葉をもち、テッポウユリより花が少し大きいといわれる。6枚に見える3枚の花弁と3枚の萼片は合体して筒状になっている。

蕾が紫褐色を帯び、筒状花の内面基部が黄色のテッポウユリに似たこの花は、中国四川省原産のリーガル・リリー(L. regale) で、病気に強いので交雑種を作るのにも多用される。