半坪ビオトープの日記


料理に欠かせないハーブとしてよく利用されるローズマリーは、シソ科ロスマリヌス属のオフィキナリス(Rosmarinus officinalis)という。属名は、ラテン語 ros(露)とmarinus(海)を語源とするマンネンロウの古代ラテン名に由来し、海岸に多く自生することにちなむ。
地中海沿岸原産の常緑低木で、日本には江戸時代末期に中国を経由して渡来し、和名はマンネンロウという。その由来は不明で、万年香の誤写とか、永遠の青年に喩えた万年朗とか諸説ある。
一般には英名のローズマリー(rosemary) で呼ばれる。元は「海の水滴」の意だったが、「聖母マリアのバラ」の意に解され、多くの伝承が生じた。スペインの伝説に、元は白い花だったが、聖母がこれに上着を掛けて以来、上着と同じ青色に変わったという。また、この木はエジプトへ逃れる聖家族をかくまったとも言い伝える。
古くから弔いの木として墓穴に納めた棺の上に小枝を投げ込んだり、祝言の木として金粉や香水をまぶしリボンを飾ったりした。また、薬用植物として中世の修道院では盛んに栽培され、リウマチや神経痛、風邪や熱病の薬にしたという。
今でも料理だけでなく、ハーブティーや入浴に利用されるなど、多くの薬効が報告されて、若返りのハーブとして人気がある。