半坪ビオトープの日記

シラハギ

ハギ属の分類は難しい。この花も枝垂れ方はミヤギノハギに似て、丸い葉の形はマルバハギやヤマハギ、ニシキハギに似る。花序が短いマルバハギとは違い10cm前後あり、葉柄がヤマハギのように長くない。
花の姿と葉柄、葉の形からとりあえずビッチュウヤマハギ(Lespedeza formosa の朝鮮・日本亜種)としておく。
右上のシラハギ(白萩)は、園芸品種のニシキハギ(Lespedeza japonica 'Nipponica')の白花種である。
萩は古くから鑑賞用のほか、牛馬の飼料にしたり、細枝を箒や籠や屋根葺きの材料としたり、葉を茶の代用品とし、根を煎じて眩暈やのぼせの薬などに用いたり、いろいろと活用されてきた。
万葉集には141種と最も多く詠われた植物だが、「芽(ハギ)」「芽子(ハギ)」「波疑」「波義」の字が当てられ、「萩」の字は平安時代の『和名類聚抄』が初出とされる。
毎年新しい芽を出すことから「生え芽(キ)」に由来するという説と、小さい葉から「歯芽(ハギ)」となったとする説が有力だが、「掃き」を語源とする説もあって捨てがたい。
萩は日本全国に自生するが、万葉の時代にすでに庭に植えられていて、園芸の原点の植物であったことが次の歌でわかる。
戀しくは形見にせよと吾背子が植ゑし秋芽子(ハギ)花咲きにけり(巻10-2119)