半坪ビオトープの日記

この花はボタン属のシャクヤク(Paeonia lactiflora) 。ボタン属はヨーロッパから中国、日本を経て北アメリカ西部までに約30種分布し、代表である中国原産の木本のボタン(牡丹、P. delavayi)のほかいろいろなシャクヤクがある。
日本にはヤマシャクヤク(P. japonica) だけが自生し、このシャクヤクは中国北部、モンゴル、朝鮮半島北部に分布する。中国では紀元前から漢方薬として栽培され、その後観賞用ともされた。日本には14・5世紀に薬用として渡来したと考えられている。
18世紀に日本からヨーロッパへ紹介され、品種改良が進み、今では3000以上の園芸品種があるとされる。八重咲きなど花形の変化が多く、色は白、濃紅赤色、淡紅色のほか黄色もある。
この淡紅色の花は比較的簡素な基本型であるが、それだけシャクヤクらしいといえよう。中国ではボタンが花王シャクヤクは花相つまり王に次ぐ宰相の地位と考えられてきた。
漢方では乾燥させた根を芍薬といい、筋肉痛や腹痛の鎮痛剤として、また婦人科疾患用として使われる。